塩見 格一

教授
理学博士
Kakuichi Shiomi

塩見 格一

専門分野
人間工学、情報科学、
物理学、音響学、電子工学

研究テーマ

  • ・音声分析による発話者の心身状態評価手法の研究、および本手法の応用としてのスマートフォンなどをプラットフォームとしたアプリケーションの開発と評価

声を分析して不注意による事故を防止する

音声による高度な会話はすべての動物の中で人間だけが可能な、極めて特徴的な事柄です。二足歩行の姿勢により頭が大きくなることが可能になり、他の動物では発達していない大脳新皮質が発達したことにより、人間は音声による会話が可能になって、時間の概念を獲得し、現在から将来の事柄を考えることもできるようになりました。人間の言語処理機能は大脳新皮質の大きな部分を占めていると考えられており、その機能状態が観測可能であれば脳全体の状況を推測することが可能になると期待されています。21世紀の今日、生成系AIなどにより、音声から発話者の感情を分析するようなことが可能になりましたが、これらの音声分析技術は人間の誰かが喜怒哀楽などを判定してラベル付けした音声のデータベースを分析して実現されたもので、原理的にその性能は人間の主観を超えるものではあり得ません。これらに対し、私たちが利用している音声分析手法は、20世紀後半に発展した複雑系の数学を利用したもので、仮説検証型の実験によりその信頼性を向上させてきました。発話者の演技や演出に騙されず、昼食の前後に2つの音声を収録すれば「どちらが昼食の前に録音されたものであるのか?」の問いに対し70%程度の確率で正しく識別することができます。この全く新しい発話音声分析技術には想像を超えた可能性があり、私たちはその可能性を追求しています。